寿限無
落語の「寿限無」(じゅげむ)をご存じでしょうか?
生まれた子供がいつまでも元気で長生きできるようにと考えて、とにかく「長い」ものが良いと次のような名前を付けたというお話しです。
「寿限無」(じゅげむ)
寿限無(じゅげむ)、寿限無(じゅげむ)、
五劫(ごこう)のすりきれ、
海砂利(かいじゃり)水魚(すいぎょの)、
水行末(すいぎょうまつ)雲来末(うんらいまつ)風来末(ふうらいまつ)、
食う寝るところに住むところ、
やぶらこうじのぶらこうじ、
長久命(ちょうきゅうめい)の長助(ちょうすけ)
という、ながーいお名前であります。
縁起の良い言葉をすべてくっつけてしまいました。
現代では、その縁起の良い言葉の意味が分からないですね。
囲碁用語のコウは、劫と書き、インド哲学で極めて長い時間の単位のことであります。
日本では、「未来永劫」(みらいえいごう:未来永久にわたること)の劫であります。
落語の「寿限無」(じゅげむ)に出てくる「五劫(ごこう)のすりきれ」の劫も、それにあたります。
五劫のすりきれ
「五劫のすりきれ」とは
天女が、天から下界におりてきて、水浴びをする際に、身にまとっている羽衣が巨大な岩の表面に触れると、岩がわずかに擦りきれて減ります。
そして、この岩が擦りきれて、あとかたもなくなってしまうまでを一劫(いっこう)といいます。
それが5回で「五劫のすりきれ」となります。
想像することができないほどの長い年月となります。
囲碁のコウが難しいことは、その語源から推測することができますね。
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