囲碁の別名


4000年の歴史がある囲碁でありますから、その別名も数多くあります。

棋 (き)、囲棋(いき)、棊 (き)、弈 (えき)、弈棋 (えきき)とこれらは、すべて囲碁を意味しております。

他にも「手談」、「幽玄」、「烏鷺」、「方円」、「欄柯」、「坐隠」、「橘中の楽」、等々あります。

それでは、それぞれを見ていきましょう


手談(しゅだん)

手談(しゅだん)

手談とは「言葉を交わさなくとも碁を一局打てば心が通じ合う」というとても素敵な意味でもあります。

手談を英語では、「Hand Communication」、「Hand Talk」と訳され、「一局打てば、異国人でも百年の知己(ちき)」という意味となります。

また、石の一手一手には意味があります。

割り打ちには、「大きくなりそうだから、邪魔しますわよ。」

それに対して、詰めていくのは、「そうそう簡単には生かしませんわよ。」と答えているのと同じなのです。

お互いの石の意味を考えながら打つことは、自然と会話しているようなものなのです。

手談とはそういう意味もあります。

しかし、これは相当に棋力レベルが高い方でないと使えないかもしれませんね。


幽玄(ゆうげん)

幽玄(ゆうげん)とは、「奥深くて、はかり知れないこと。」、「趣が深く味わいが尽きないこと。」という意味であります。

すなわち、転じて、囲碁のことであります。

日本棋院の特別対局室は、「幽玄の間」です。

また、日本棋院ネット碁も「幽玄の間」という名称であります。


烏鷺(うろ)

烏鷺(うろ)の烏はカラス。鷺はサギ。

カラスは黒い。(黒石)、サギは白い。(白石)

転じて囲碁のことであります。

烏鷺の争いとは、囲碁で勝負を決することを意味します。


方円(ほうえん)

方円(ほうえん)とは四角形(碁盤)と円形(碁石)の意味です。

明治時代に村瀬秀甫(後の本因坊秀甫)と中川亀三郎(本因坊丈和の三男)が中心となり、囲碁の研究会を発足させました。

その名称が「方円社」でありました


欄柯(らんか)

欄柯(らんか)の欄は、腐ってボロボロのさま。欄柯の柯は、斧の柄のことです。

昔々、山中に迷った樵夫が、二人の仙人が囲碁を打っている姿を見つけ、その深遠な技量に見惚れている間に,持っていた斧の柄が朽ち果ててしまった。という伝説から来ています。つまり途方もなく長い時間が経過していたという意味で浦島太郎のようですね。

爛柯とは、囲碁の別名であり、また、囲碁に夢中になって時間の経つのを忘れることを意味します。

転じて、遊びに夢中になるあまり、時の経つのを忘れることの意味もあります。

「爛柯の宴」という小説もあるようなので、機会があったら読んでみようと思っています。


坐隠(ざいん)

坐隠(ざいん)とは、「王中郎、囲碁を以て坐隠とす」から来ており、碁を打つこと。

囲碁は座したまま隠遁できるの意味であります。

つまり囲碁三昧の境地であるとの意味であります。

橘中の楽(きっちゅうのらく)

橘中の楽(きっちゅうのらく)

とても大きな橘(たちばな=みかん)の実を割って中を覗くと、そこには二人の仙人が碁を楽しんでいた。という伝説から来ています。

囲碁を楽しむことであります。当ブログにピッタシの言葉であります。


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